南極から一言

私が2月までインターンでお世話になっていた、
Think the Earthプロジェクトセミナー&サロンに行ってきました!


ここで簡単に、Think the Earthプロジェクトとは・・・
エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに
■プロジェクトメイキング
■企業とNPOの学びの場づくり
■地球に関する情報発信
■子どもたちの未来を創る活動支援
などの活動を行っているNPOです!!


今回のセミナー&サロンでは、フォトジャーナリストの水口博也さんによるプレゼンテーション「極地から見る気候変動」を聴くことが出来ました。



↑水口さんが南極で撮影した写真をスライドショーで解説していただきました。極地の自然や生きものたちが見せる表情はとても豊かで、思わず笑ってしまう愛らしいペンギン達の習性や、とてつもなく大きな氷山の写真には圧倒されました。


ただ、こんなにもかけがえの無い南極の環境には確実に異変が起こっていて、何年も前から南極に通い詰めている水口さんがおっしゃるには、
「もう、20年前には南極に異変が起こっていた」
「10年前には本気でヤバイと思った」
「今となってはもう取り返しがつかない、どうすれば分からない」

ということでした。水口さんがおっしゃるのだから相当深刻ですよね。具体的な変化としては↓


●営巣地の環境悪化や餌であるオキアミの減少によるアデリーペンギンの激減
●海氷の後退、南下。
●冬になっても凍らない海(南極に行く際、昔は氷上を移動できた海が出来なくなるという事が頻繁に有るそうです)
●海氷の減少で生息範囲がせばめられられた事による、白熊との遭遇頻度の増加


本などで読んだりするよりも、実際に何度も南極に足を運び、実感を持って現状を伝える水口さんの言葉にはとてつもなく説得力がありました。今回のスライドショーで見せていただいた写真の中に実際は映っていないけれど、全ての風景「人間の影響」が及んでいるという事が暗示されていたように思います。何より印象的だったのは、


「温暖化はたとえ遅らせる事は出来たとしても、止める事は出来ない。気温が上昇したとしても人間はこの環境の変化に適応する事が出来るが、動物や植物、特に激しい環境の変化に見舞われる極地の生きものはそれが出来ず、ほとんどが姿を消すだろう」


という水口さんの締めの言葉でした。
温暖化は止めることが出来ない・・・誰もが耳をふさぎたくなるような、けれど認めなければならない真実がそこにあるのだと思います。
こうも絶望的だと思わず、「じゃあ、もうなにやっても無駄じゃね?」「環境対策よりやっぱり経済だ」「車乗りまくろうぜ!」とやけになってしまいそうですが、今日目にした南極の写真は、そこにちょっとまった!!と歯止めをかける力を持っていると私は強く感じました。


水口さんも口では「もうどうしようもない」とおっしゃっていますが、南極や北極の写真が持つこういったパワーを信じているからこそ、何度も極地でシャッターを切り続けているのではないでしょうか。